夜明け前の韓国、いまが一番暗いのかもしれません……もっと暗くなりそうな気もします。
いつもありがとうございます。

韓国企業、大幅値下げ



米国の投資情報サイト“Seeking Alpha”に、韓国株式が非常に割安になっているという記事が掲載されました。
著者は米国の投資情報会社ナイル・キャピタルです。

EWY: South Korean Companies At A Steep Discount
EWY: 韓国企業、大幅値下げ

Research AffiliatesやStarCapitalが発表するCAPEでもかねてから韓国は割安域にあり、僕が運用する格差縮小ファンドでも毎月少額ですが買い付けています。

記事の内容を要約し、補足しつつ考えていきます。

割安株価には理由がある。ダブルバインド(二重拘束)に悩む韓国経済

記事の内容は以下の通りです。

①韓国株式のPERは8~9倍前後、PBRは1倍を大きく下回り出色の割安域にある。
②韓国経済はITと耐久消費財(自動車・家電など)が多くを占め、成長性とバランスシートの安定性が高い。
③韓国、主にソウルの不動産価格は高騰している。消費者は家計の累積債務と不動産価格の高騰に苦しめられている。
④しかしながら、こうしたリスクが株価に織り込まれたうえでの低評価になっている。

 

①韓国株式は割安
韓国の大・中型株式を広くカバーするiShares MSCI South Korea ETF(EWY)を例にとると、2019年8月21日現在での評価は以下の通りです。


PBR・PER・配当利回り・PEGレシオ算出に使用したlong-term earningsはiシェアーズの各ETFの数値を米国モーニングスターより引用。
CAPE・期待リターンはResearch Affiliatesのものを引用。

韓国株式は、バンガードETFで使用されている指数(FTSE Russell)では先進国に、iシェアーズETFで使用されている指数(MSCI)では新興国に分類されています。

PBR・PERを見ると、先進国はもちろん、新興国の中でも韓国の割安は極まっています。
配当利回りも先進国水準は超えており魅力的です。

CAPEを参照しても割安水準にあることは明らかで、長期での期待リターンは新興国を超える水準が見込まれています。
しかし、現状の低評価は目下の低成長期待によるものということがPEGレシオに如実に表れています。

目下の苦境は短期的なものと腹をくくれる投資家のみ、参入できる市場が韓国株式といえます。

余談ですが、日本株式は買いに入るには悪くない水準であることが改めてわかりました。
とくに先進国・新興国インデックスをこえるPEGレシオの低さが目につきます。
これで消費増税がなければ……というところです。

短期的な下落の際には抜け目なく拾っていきましょう。

②韓国経済はITと耐久消費財偏重
iShares MSCI South Korea ETF(EWY)に占めるITの割合は35.28%、耐久消費財の割合は12.49%を占めます。
サムスン電子とSKハイニックス、現代自動車の3社で3割を超えます。

いずれも韓国内需ではなく外国への輸出が非常に大きいため、世界経済の振幅を受けやすくなっています。

③不動産価格と家計の累積債務、ダブル高騰が招くもの
昨年11月30日付の第一生命経済研究所ペーパー「Asia Trends」より引用します。

韓国では長期に亘る金融緩和政策の影響で家計部門の債務が拡大傾向を強めており、この動きに呼応するように首都ソウルを中心に不動産投資ブームが起こり、足下のソウルの不動産価格は前年比で二桁%の高い伸びとなるなど、新たなリスク要因となることが懸念されてきた。

このような認識の下で、不動産価格の高騰に対抗する税制改革が行われました。
加えて昨年10月末に金利を0.25%上げ1.75%としました。
日本のバブル崩壊時をほうふつさせる対処です。

その後、政策金利は景気の冷え込みを受けてこの7月に1.5%に戻しています。

不動産価格のソフトランディング。
高い家計債務への目配り。
適度なウォン安への急速すぎない誘導。

タイトロープを踏み外せば、いずれかのアキレス腱が切れかねません。
薄氷の金融政策運営は続きます。

韓国は「ヘル」(地獄)、だから僕らは……

サムスン電子の業績悪化ニュースは記憶に新しいところ。
さらに若者の就職率悪化や高齢者の年金不足もあり、「ヘル朝鮮」という言葉が流行っている始末。
お先真っ暗とはこのことです。

暗い時こそ株を買いましょう。

ただし、不動産バブルの規模や米中貿易抗争の推移、日本を超える少子高齢化の影響など、韓国経済にはまだまだ計り知れないダウンサイドリスクがあるかもしれません。
少額ずつ投資していきましょう。

韓国株式への投資方法はいぜん詳しく記事にしました。
徹底攻略・韓国株式の長期投資

お相手は、人生を豊かにする「投資」の専門家
日野秀規でした。
ありがとうございました!

(参考文献)
Asia Trends 韓国、一部で話題に上りつつある危機のリスクは本当か
Asia Trends 韓国銀行、不動産バブル懸念に対応すべく1年ぶりの利上げ

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