「あおぞら投信」柳谷会長・大久保部長と1時間半、こってりお話ししました。 ①「あおぞら・徹底分散グローバル株式ファンド(愛称・てつさん)をなぜ知ったのですか?」

「あおぞら投信」柳谷会長・大久保部長と1時間半、こってりお話ししました。 ②「一般の投資家には、『能書きばかり多い投信だなぁ』と思われてしまうのではないですか?」
の続きです。
今回が最終回です。

あおぞら投信株式会社取締役会長・柳谷俊郎氏については、あおぞら投信のウェブサイトで動いている姿を見ることができます。
個人資産運用の新潮流 資産運用会社の哲学

「あおぞら・徹底分散グローバル株式ファンド(愛称・てつさん)」について、その運用を担当する米国大手運用会社「ディメンショナル・ファンド・アドバイザーズ」のこと、および商品価値と「何に基づいて運用しているのか」をお聞きしました。

ディメンショナルは学術研究の最新成果に基づいた運用を行っていること。
「市場との共生」により長期間で効率的に運用成果を得ることを目指していること。
こうした運用の原理原則とストーリーを投資家にわかりやすく伝えることが、あおぞら投信の継続的な課題であること。

等々をうかがいました。

続いて、柳谷さんへの最後の質問を投げました。
あおぞら投信の取締役会長に対してでなく、かつてプロの債券トレーダーだった柳谷さんに聞きたかった質問です。

金利が水没していく世界で



先だって、フィナンシャルタイムズ東京支局長のロビン・ハーディング氏による記事を紹介しました。
低金利は呪縛する これから、僕たちは、何かを期待できるのかな?(投資に)

長期の金利と長期的な経済成長の間には密接なつながりがあるといいます。

次々と世界各国の長期金利がゼロ以下に水没していく現状が暗示するもの。
それは、僕たちは長期的な経済成長が見込めない世界を生きざるを得ない、ということではないか……?

こんな問題意識から考えてみたエントリーです。

そんな折、債券ディーリングの最前線にいたプロ、そして現在は運用会社の取締役会長を務めている方と話ができる機会が持てるとなれば、これはもう聞いてみるしかないではありませんか!

いま、一番アツい問いだと思います。
「金利がつぶれていく世界で、資産運用はどうなるのか?」です。

成長にベットするために分散を

金利はお金を必要としている人に融通することで得られる報酬です。
金利がつぶれていくということは、お金を借りてでも使いたいという需要が減っているということ。

投資先不足ということになります。
これでは企業はもうかりません。
株も上がりません。
単純に考えればこういうことです。

将来の経済成長期待がつぶれていくということは、株式のリスクプレミアムの源泉がなくなっていくということを意味します。

もともと株式のリスクプレミアムは債券のそれに比べて大きいので、リスクプレミアムがつぶれるときは当然、株式の期待リターンが大幅に減少していくことになるでしょう。

そんな時代に、ボラティリティだけ高い株式を持つ意味が、どれほどあるのでしょうか……?

こんなことを聞いてみました。
答えは明解でした。

「先進国の金利は縮減していますが、世界中を見れば成長している場所は常にあります。

まず、グローバル企業の活動が国家規模を超えてゆく現実があります。
グーグルや、フェイスブックによるリブラ構想などはその最たるものでしょう。

加えて、新興国は今後も先進国より高い経済成長を続けていくことが見込まれています。
新興国の成長を投資ポートフォリオに取り込んでいく必要があります」

今後、現在の先進国が勢いを失い新興国に代わられていくすう勢は明らかです。

第一生命経済研究所のレポートを引きます。
2026~2030年の実質経済成長率は、先進国では-0.1%~2.3%にとどまるものの、インド・フィリピンが5%超え、中国・マレーシア・インドネシア・ベトナムが4%程度の成長が見込まれています。

コンサルティング会社PwCの予測を見てみます。
購買力平価実質GDPでみると、2016年の日本は中国・米国・インドに続く第4位です。
それが2050年にはインドネシア・ブラジル・ロシア・メキシコといった新興国に抜かれ第8位に転落することが見込まれています。

それでは、グローバルテックジャイアントと新興国だけ買っておけばよいのか……というと、そうではないと柳谷さんは続けます。

「予測はあくまで予測ですから、ピタリあたるとは限りません。
そのうえ、短期の大きな上下動を避けることは非常にむずかしいです。

つまり、分散していないとボラティリティの大きさに耐えられません。
徹底的な分散、つまり『てつさん』が必要ということなのです(笑)」

実は、柳谷さんがかつて債券運用の現場を離れたきっかけが、まさに長期的に金利がつぶれていくすう勢を見てとったことだといいます。

金利がなくなってしまったら債券ディーリングで収益は取れない……と。
その危機感を持ってエクイティ、つまり株式を含めた運用に足を踏み入れていったそうです。

エクイティの分野で常に成長のある場所を逃さないこと。
そのために広く分散投資をするという、きわめてシンプルかつ強度のある結論になりました。

僕個人は、成長期待というよりディスカウントされた相場に資金を投じる方向で常に動いていますが、金利がつぶれようとなんだろうと資産形成はやはり株式を中心に行うべきだということが確認できたのはが収穫でした。

あおぞら投信イチ押しのバランスファンド「ぜんぞう」

大久保部長からは、あおぞら投信でいま主力となっている「あおぞら・新グローバル分散ファンド(限定追加型)」の説明を受けました。

愛称が「ぜんぞう」です。
あおぞら・新グローバル分散ファンド(限定追加型)2019-07

世界株式と世界債券からなるバランスファンドです。
「てつさん」と同様にディメンショナル・ファンド・アドバイザーズの株式・債券ファンドを組み入れています。

「投資未経験の方に、手堅く成功体験を味わっていただきたい」ということで設計されたファンドだそうです。

最後に要望

「てつさん」をもともと強く推しており、自分のポートフォリオにも組み込んでいる身にすれば、今回のように運用会社の方に直接お話をうかがえる機会は非常に有意義なものでした。
改めてあおぞら投信さんにお礼を申し上げます。

今後も、自分がよいと思った商品は積極的に推していきたい所存です。

最後に、あおぞら投信さんに(限りませんが、)今後検討していただきたい商品を列挙してみます。
日本ではまだまだスマートベータ分野の低コスト商品が少ないです。
なにとぞ!

・バランスファンド(森のしずく、星のしずく)でWisdomTreeのETFを組み入れているので、いっそのことWisdomTreeのETFだけでパッケージした投信を出してほしい。全世界小型配当株式ファンド・全世界配当成長株式ファンドなどがあればぜひ購入したい。

・等金額インデックスファンド。

・「ぜんぞう」が投資しているディメンショナル・ファンズ・ピーエルシー グローバル・ショート・フィクスト・インカム・ファンドだけに投資する投信。


・レバレッジをうまく使った商品。金利がつぶれていく世界では、日興アセット「グローバル3倍3分法ファンド」のような商品はより求められていくだろう。


※今回の来訪に関して、一切の金銭や便宜の供与はありません。

人生を豊かにする「投資」の専門家
日野秀規でした。
ありがとうございました!

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