長期投資を行っていくうえで、景気動向と投資スタイルの関係を知っておくことは非常に重要です。

投資スタイルの適切な分散を心がけ、景気拡大・後退に左右されにくいポートフォリオを構築することが長期投資における1つの理想形です。

いつか大きく報われることを期待して不遇の時期に長く耐えるのも一興ですが、僕らの時間は有限です。
できれば、安定的に資産が増えていく方が気が楽だし人生設計もしやすいはずです。

もっとも、インデックスファンド定期定額積み立てを徹底されている方にはあまり関係ないかもしれませんが……

大手運用会社による「景気と投資スタイルの相性」まとめ



景気はなだらかな波を描くように推移していきます。

底を打った景気は回復局面に入り、さらに過熱に向けて拡大を続けます。

拡大しきった景気は減速局面に入ります。
この時期に利下げや量的緩和などの金融緩和や財政政策が行われますが、功を奏するまでのタイムラグで景気はしばし後退に陥り、底を打つまで続きます。
現在、世界の景気は減速局面に入りつつある、または既に入っているといわれます。

大手運用会社2社が最近発表した「景気と投資スタイルの相性」を表にまとめました。



考え方としては、投資スタイルの凹と凸をうまく均したポートフォリオを構築している投資商品を探すための参考にできるかな、というところです。

この表を参考に売買(スタイルローテーション)を行うのは
・うまくやるにはあまりに雑駁な情報でしかない
・売買すれば税金を払わないといけないのでうまくない
というわけで、おすすめできません。

相性のいい組み合わせとおすすめ投資商品

解釈の余地は様々かと思いますが、ここでは2通りの観点から商品をピックアップしてみます。

①バリューとクオリティは相性よし
JPモルガンの表を見ると、バリューが景気減速期に弱い部分にクオリティを当て込むとうまく補強できそうに見えます。
この観点からおすすめできる商品です。

●iシェアーズ MSCI ジャパン高配当利回り ETF(1478)
配当性向や配当継続性、財務指標(ROE、負債・自己資本比率等)の要件を満たしたクオリティの高い銘柄の中から、配当利回りが高いバリュー銘柄で構成される指数「MSCIジャパン高配当利回りインデックス」との連動を目指すETFです。

●SMT 日本株配当貴族インデックス・オープン
TOPIX構成銘柄のうち、10年以上にわたり毎年増配しているか、または安定した配当を維持しているクオリティの高い銘柄を対象とし、配当利回りにより加重されることでバリュー銘柄の比重が高くなる「S&P/JPX配当貴族指数」(配当込み)に連動する投資成果を目指します。

●あおぞら・徹底分散グローバル株式ファンド
全世界の株式に分散投資しつつ、バリュー銘柄・クオリティの高い銘柄の比重を高めたポートフォリオを構築します。

②グロース・クオリティ・ディフェンシブバリューは相性よし
アライアンス・バーンスタインの表を見ると、グロースとディフェンシブバリューが凹凸を埋め合う関係にあることがわかります。

グロースは成長性の高い銘柄、ディフェンシブバリューは景気動向に収益が左右されにくい割安銘柄を指します。

これにクオリティも加味すると、ウォーレン・バフェット率いるバークシャー・ハサウェイの投資スタイルに近くなります。
コカ・コーラやバーリントン・ノーザン・サンタ・フェ鉄道、そして最近ではアップルといった需要が途切れず世界経済の拡大に合わせて成長していく銘柄を割安に購入していくスタイルです。

この観点からおすすめできる商品です。

●スパークス・新・国際優良日本株ファンド
高い技術力やブランド力があり、今後グローバルでの活躍が期待出来る日本企業20銘柄程度に厳選投資を行い、投資信託財産の中長期的な成長を目標としています。

●農林中金<パートナーズ>長期厳選投資おおぶね
付加価値の高い産業、圧倒的な競争優位性、長期的な潮流の3つの基準を満たす、持続可能なキャッシュ・フロー創出能力を有する「構造的に強靭な米国企業」に長期厳選投資を行います。

●ニッセイ/コムジェスト新興国成長株ファンド(資産成長型)
新興国株式のうち、価格決定力や優良顧客・高いブランド力や参入障壁をもち、長期持続的に10%以上のEPS成長が見込まれる銘柄に厳選・集中してポートフォリオを構築します。

まとめ

長期投資を行っていくうえで、景気動向と投資スタイルの関係を知っておくことは非常に重要です。

投資スタイルの適切な分散を心がけ、景気拡大・後退に左右されにくいポートフォリオを構築することが長期投資における1つの理想形です。

JPモルガンとアライアンス・バーンスタインが公表している景気と投資スタイルの連関表によると、投資スタイルの凹凸をならすポートフォリオの性質として

①バリューとクオリティは相性よし
②グロース・クオリティ・ディフェンシブバリューは相性よし

であることがわかりました。

投資商品選びの参考になれば幸いです。

人生を豊かにする「投資」の専門家
日野秀規でした。
ありがとうございました!

質問・感想お待ちしています! こちらからお願いします
LINE@に登録をお願いします。ブログの更新をお知らせします。直接ご連絡もしていただけます。
※感想やご質問は、今後の記事でご紹介させていただく場合があります。

★お金のこと、お仕事のこと、投資のこと、気軽にご相談にいらしてください。下の「ご相談メニュー」をご覧ください。
ごあいさつ
プロフィール
ご相談メニュー