新たに永久固定ポートフォリオの運用を開始します。
いつもありがとうございます。

アセットアロケーションは動かしてはダメ!という学術研究

投資運用の世界では、しばしば「アセットアロケーションを固定することが重要」と言われます。

自分の投資目標や許容できるリスクをよく吟味し、ワンアンドオンリーのアセットアロケーションを作ったら、後生大事に守り続けることが大事であると。
たとえば、このようなアドバイスです。

投資家には、最近のできごとや傾向を過大評価し、長期的な証拠を無視する傾向があります。
これにより投資家は好調、つまり評価が高く期待収益が低い資産を購入し、不調、つまり評価が低く期待収益が高い資産を売却しがちです。これは、自己制御の利いた投資家が行う、ポートフォリオの資産配分を維持するためのリバランスとは反対のことを意味します。
(“Don’t Abandon International Diversification”Larry Swedroe より)

6月1日より運用を始めた格差縮小ファンドでは、このことを知りつつ、あえて保守的な運用/相場下落時の果敢な運用を使い分けるため、アセットアロケーションを固定していませんでした。

ただし、これが失敗しては元も子もありません。

そこで、アセットアロケーションを固定して運用する「格差縮小ファンド第2ポートフォリオ」を起ち上げ、並行して運用していくことにしました。

著名投資家・レイとデイヴィッドの尻馬に乗る

第2ポートフォリオは永久固定の「全天候型ポートフォリオ」を目指します。

そこで、著名な大物投資家ふたりが一般向けに公開したポートフォリオをミックスし、さらに日本向けのツイストを加えて作成していきます。

①レイ・ダリオ
市場環境を問わない安定的な収益獲得のレコードをもち、大手年金基金などからも資金を集めていることで知られる米国の巨大ヘッジファンド運営会社・ブリッジウォーター。
その創業者であるレイ・ダリオの発言は、金融メディアでは常に大きく取り上げられています。
「市場環境を問わない安定的な収益獲得」を称して、ダリオは「全天候型戦略」と言っています。
詳細は以前に記事にしました。
【証券投資】いつも静かに笑っているために、ゴールド投資は必要か?

レイ・ダリオの「全天候型ポートフォリオ」はこの通りです。

30%:米国株
15%:米国中期国債
40%:米国長期国債
7.5%:コモディティ
7.5%:ゴールド

インフレ・デフレ、および経済成長とその停滞を掛け合わせた4象限のすべてに対応できる要素(アセット)を盛り合わせ、それぞれの要素に由来するリスクが、経済環境がどの象限にあっても大きくなりすぎないようコントロールすることに主眼を置いたポートフォリオです。

運用成績の折れ線グラフができるだけ右下を向かないよう、なるべく右肩上がりになるように組んだポートフォリオということになります。

「資産の保全」と「資産価格の成長」の両にらみで、資産を安定的に増やすのに向いたポートフォリオです。

②デイヴィッド・スウェンセン
米国の一流大学であるイェール大学の運営基金を長年運用し、優れた成績を収めたファンドマネージャーであるデイヴィッド・スウェンセンが、一般投資家向けのポートフォリオを公開しています。

彼が一般投資家向けに投資哲学をまとめた「イェール大学CFOに学ぶ投資哲学」は2006年刊で、もう絶版になっています。
当時まだ未成熟だった日本の投資信託業界において、個人投資家がアセットアロケーションを考え、投資商品を選ぶための指針を示してくれた名著でした。

本書で公開されたポートフォリオはこの通りです。

30%:米国株
15%:先進国株
5%:新興国株
20%:米国REIT
15%:米国長期国債
15%:米国物価連動債

資産成長/固定収入/インフレヘッジにバランスよく目配りしたポートフォリオです。
レイ・ダリオに比べ、長期運用を前提とした資産成長により重きを置いた形です。

③日本向けのツイストを「eMAXIS最適化バランス」に学ぶ
レイ・ダリオ、デイヴィッド・スウェンセンのポートフォリオを並べるとこの通りです。
株式が30~50%、債券が35~55%というところ。



いずれも米国人投資家向けのポートフォリオであり、日本で投資するにあたって、日本株式・債券を強調して為替リスクを減らす余地があります。
この観点は先日記事にしました。
完全おまかせ型ロボアドバイザー徹底研究・番外編 完全おまかせロボアドに対抗できる「日本人のための」優良バランスファンドを知ってほしい eMAXIS最適化バランス

株式・債券の割合が近い、eMAXIS最適化バランス「マイミッドフィルダー」のポートフォリオを参考に、日本資産の割合を調整します。


株式における日本株が37%、REITにおける日本REITが40%、債券における日本国債が63%。
全体における日本資産の割合が約半分です。

④決定ポートフォリオ
レイ・ダリオとデイヴィッド・スウェンセンのいいとこどりです。
成長資産(株式・REIT)が約半分、収入資産(REIT・債券)も約半分、ヘッジ資産(債券・ゴールド)も約半分。
重なっている部分はありますが、バランスよく目配りしました。

日本国内の資産は約4割ほどですが、為替ヘッジされリスクが消えている資産を合わせると約6割に達します。
マイミッドフィルダーの日本資産率を参考に商品選びを行いました。

時価総額比例インデックスファンドは一切選ばず、超過リターンを狙っています。
特に日本株では成長バリューを強く志向し、実績のあるアクティブファンドを選定しました。

アクティブファンド選定の基準、およびグローバル3倍3分法ファンドについては近日中に記事にします。

運用・メンテナンス手法

松井証券が提供する投資信託プラットフォーム「投信工房」を利用して、このポートフォリオに300万円を投資します。

「投信工房」は、ポートフォリオを作成・維持するための手厚い機能が特徴です。
質問に答えることで自動的にポートフォリオを作成してくれるロボアドバイザー機能があるほか、1クリックでポートフォリオ通りの購入やリバランスを勝手に行ってくれます。
日を指定して定期リバランスを設定することもできます。
永久固定のポートフォリオ運用には、まさにうってつけのサービスです。



格差縮小ファンド第2ポートフォリオは、年に1回(12/20)定期リバランスを行います。
市場の急変で、設定した比率の半分になった資産が1つでも生じた場合には臨時リバランスを行います。

来週中には運用を開始し、毎週運用報告を行っていきます。
勘で行うアクティブ運用はやはり固定ポートフォリオに負けるのか……?
どうぞご期待ください!

(参考文献)

人生を豊かにする「投資」の専門家
日野秀規でした。
ありがとうございました!

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