アクセスが格段に良くなった中国株投資、「03040」と「CXSE」に魅力あり!のお話です。
いつもありがとうございます。

中国株投資はいま、どうなっている?

世界第2の強国として、経済的にも世界秩序の面でも米国に挑戦している中国。
しかし経済面では数年前から崩壊論が語られ続けています。

「鬼城」とよばれる地方都市の大規模住宅在庫。
国家の投資に頼りきりで、消費主体の経済成長にまだ到達していないこと。
米中貿易紛争の本格開戦。
いつ何が起こってもおかしくはありません。

そのせいもあってか、
もっか中国株は割安に放置されている状況です。
複雑な制度で運営されている中国株の市場をひとまとめにし、プレーンな状態をはかることができるiShares MSCI CHINA ETF(MCHI)のPERはちょうど10倍、配当利回りは3.59%に及びます。
米国株(S&P500)のPER20.9倍・配当利回り1.94%に比べるとその割安ぶりが際立ちます。

2015年に上海・深センA株(後述)のバブルが起き、短期間でCSI300インデックスは3倍に高騰しました。
その後1年間で55%の暴落。
2018年には再度、30%の下げ相場を演じました。
いずれも日本円換算です。

今年に入っても急回復・急上昇と方向感が定まらない中国株。
だからこその割安を、コツコツ積み立てで生かしていきたいところです。
中国株長期投資を10分で総まくりしていきます。

中国株ETF・投資信託 日本での投資方法

①国内ETF


中国企業に投資できるETFは複数上場していますが、中でも長期投資に適した銘柄数の多いETFを選定しました。

1575・ChinaAMC CSI 300 Index ETF-JDRは中国本土の株式市場である上海および深センの両市場を取りまとめた大型株指数「CSI300」に連動します。
2553・One ETF 南方 中国A株 CSI500は、同市場の小型株指数である「CSI500」に連動します。
1322・上場インデックスファンド中国A株(パンダ)E Fund CSI300もCSI300に連動するETFですが、指数への連動性が悪いため除きました。

中国企業の株式は上海・深セン以外にも香港・ニューヨーク・シンガポールに上場しているため、CSI300・CSI500に投資しても中国株全体の時価総額の半分にも足りません。

また、成長性のある比較的新しい企業が多く、安定性のある大企業・国営企業に投資するには別の商品を購入する必要があります。

②海外ETF
国内ネット証券で購入できる、中国企業をカバーするETFです。

※FXI, CXSEは米国市場、03040は香港市場上場ETF

国内上場ETFに比べ、いずれもより広範な市場をカバーしています。
これらのETFの特徴は、続く中国株式市場の説明の中でふれていきます。

③投資信託
国内ネット証券で購入できる中国株投資信託には、めぼしいものがありません。

複雑怪奇な中国企業の株式市場

①7つの性質で区分けされる中国株式


中国株は市場や上場形態によって表のように分かれます。
ややこしいので、すべてを理解する必要はありません。

重要な区分は2つ。
①本土上場(A株)と本土以外上場(香港・米国)
②オールドエコノミー(オレンジ)とニューエコノミー(水色)
この2つの区分がどのように組み合わさっているかで商品の性質がわかります。

これらの区分にどのような意味があるのか、米国で上場されている中国株ETFを使って探っていきます。

②5つの米国ETFから中国株種別の特徴を探る


日本で購入できるETFと同等の商品の過去の運用成績から、指数の特徴がわかります。

★運用成績の推移

青:新興国株式インデックスファンド
黄緑:iShares MSCI China ETF(MCHI)
黄:iシェアーズ 中国大型株 ETF(FXI)
濃緑:ウィズダムツリー 中国株ニューエコノミーファンド(CXSE)
橙:VanEck Vectors ChinaAMC CSI 300 ETF(PEK)
えんじ:Xtrackers Harvest CSI 500 China A-Shares Small Cap ETF(ASHS)

上の表の5商品がそろった2014年5月21日から、2019年6月23日までのトータルリターングラフ(ドル建て)です。

上海・深センA株に投資するPEK・ASHSは、2014年6月にかけてバブル的に上昇しました。
その後の成績はさえず、PEK(A株大型)のETFと同様の水準に収まっています。
ASHS(A株小型)は深く落ち込んでしまいました。
いずれも振幅の大きさから、投資タイミングが極めて重要であることがわかります。

H株・レッドチップ・Pチップの優良大企業で構成されているFXIの値動きは比較的安定しています。

MCHIは、かつては株式の組み入れ比率がFXIと似ていたため値動きも同様でした。
A株がほとんど組み入れられていなかったのです。
近年、MSCI CHINA指数は段階的にA株の割合を増やしています。
最終的にはA株が約半分を占める予定です。
その過程にあるため、2017年ごろからMCHIの値動きがFXIを離れ、PEKとの中間を進むようになっています。

★運用成績(年率)

グラフの期間の年率リターン(円建て)です。
青色が上位2、オレンジが下位2になったことを示しています。
過去5年間を通じて、PEKが71%の上昇を示しました。
日本で上場しているChinaAMC CSI 300 Index ETF-JDRに投資できていれば、同等の投資成果が得られたことになります。

FXIとASHSがおおよそ対極の成績を示していることがわかります。
上昇相場ではASHSが、下落相場ではFXIの善戦が目立ちます。
ASHSは日本で上場しているOne ETF 南方 中国A株 CSI500と同じ指数に連動します。

MCHIとCXSEはあまり極端な成績を示していません。
いずれも、すべての市場にバランスよく投資する指数だからです。
とはいえ、数字を見るとCXSEはどちらかというとA株指数に近い振幅を示しています。

CXSEは、「非国営企業」に投資します。
他のETFには国の株式持ち分が多い「国営企業」が多く含まれます。
CXSEはそうした企業を排除することで、国の関与が少なくイノベーションを起こしやすい企業を選別しているわけです。
景気上昇時に大きな収益を得やすい、成長株型のETFになります。



2016年~2018年にかけては世界的な上昇相場のなかで、CXSEは中国株ETFの中では断トツの伸びを見せ、S&P500ETFをも超える運用成績を示しました。

★各ETFの現在の評価(バリュエーション)

FXI(H株・レッドチップ・Pチップ)はPER・PBRとも低く、配当利回りは最高です。
典型的な割安株の特徴を示しています。
成長期待が持たれていない保守的な企業群です。
中国の「オールドエコノミー」を象徴しています。

比べると、CXSE・PEK・ASHSが成長の期待を持たれていることがわかります。
PERは高く、配当利回りの低さの少なさは成長投資の多さを示唆しています。
成長期待が高いため、PERを利益成長率で割ったPEGレシオは割安です。

こちらが「ニューエコノミー」側ということになりますが、中国の成長期待がはげれば、ニューエコノミーは色を失うことになります。
投資タイミングを慎重に計る必要があります。

ここでも、MCHIはオールド/ニューを包括する指数であることが見てとれます。
「プレーン・チャイナ」ETFと言えるでしょう。

投資商品の選び方

ここまで、日本で投資できる商品が中国のどのような面を代表しているのかを解説してきました。
日本のネット証券で購入できる投資商品を再掲します。




まず、中国を特別に気にしないなら、全世界株式インデックスファンドや新興国株式インデックスファンドに投資すれば十分です。
MSCI CHINA指数、つまり03040・Mirae Assetホライズン MSCI 中国 ETFとおよそ同じ比率で中国株式が含まれています。

中国株の比率を増やしたいなら、03040 ETFの購入がおすすめできます。
中国株のほぼすべての市場をカバーし、オールド/ニューいずれの中国も包括する、プレーン・チャイナETFです。

中国の不動産バブル崩壊など、割安の機をとらえて投資するならCXSE・ウィズダムツリー 中国株ニューエコノミーファンドがおすすめです。
市場低迷期に仕込めば、非国営企業が活発にタネをまき育てているイノベーションの花が開く景気回復期に大きなリターンが得られます。

格差縮小ファンドでは、現在が比較的割安な時期であることと、超長期保有を見据えてCXSEを少額ずつ購入しています。
残念ながら、長期保有には日本上場のETFはやや使いにくいな……という印象です。

人生を豊かにする「投資」の専門家
日野秀規でした。
ありがとうございました!

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