実は「小型グロース株」に投資していたと知り、狼狽を隠せない男のお話です。
いつもありがとうございます。

実は相場崩壊が起こっていた「韓国小型新興株」



韓国の経済や株式のパフォーマンスがさえません。
いろいろ踏んだり蹴ったりのようです。

年初来からの成績で、ドル建てのiシェアーズMSCI韓国ETFは-10.8%。
ドル建てのiシェアーズMSCI日本ETFはプラス4.94%なので、韓国株は日本株に比べ15%以上の下落となっています。

2019年8月26日現在での評価指標も目を見張る水準です。
PBRは0.87と解散価値をとうに割り込んでいます。

このように割安が進みつつある中、僕が運用する格差縮小ファンドでは3カ月連続で韓国株ファンドを購入しています。
10年先を見て買うわけなので、安くなったら四の五の言わず買うのです。

しかしながら……
日韓関係が風雲急を告げ、米中貿易紛争もおさまる様子がないなか、改めて韓国株式指数をちょくちょく確認するようになって気づきました。

「KOSPI」と「KOSDAQ」の値動きは結構違う!

どちらも韓国株式市場の指数です。
日本では「サムスンKODEX200上場指数投資信託(1313)」でKOSPI指数に投資できますが、KOSDAQ指数には投資できません。

日本でも、日経平均・TOPIX・JASDAQそれぞれの指数の値動きは異なります。
僕が気にかけている東証2部指数もTOPIXとは結構違います。

なので韓国でも同様に、総合指数であるKOSPIと新興市場指数であるKOSDAQの値動きが違うのも当たり前です。

グラフで見るとこんな感じ。


オレンジがKOSPI, 青がKOSDAQです。
この5年間でKOSPIが-6.08%、KOSDAQは5.25%。

新興・小型株が多いKOSDAQ指数が11%ほど上回っているのは、よいと言えばよいのですがボラティリティが大きすぎます。

2018年頭の頂点から現在まで、なんと約34%の下落となっていました。
これは相場崩壊といってもいいような……。
長期では小型株が有利、とひと言ですませられるような値動きではありません。

時価総額比例大・中型株ETFであるiシェアーズMSCI韓国ETFとの銘柄重複が非常に少ないスパークス・韓国株・ファンドについて、改めて精査する必要が出てきました。

韓国大・中型株ETFとスパークス・韓国株・ファンドを徹底比較!

韓国株式投資については当ブログでもたびたび記事をあげていました。
徹底攻略・韓国株式の長期投資
コスメが激安ならうれしいけれど……いやいや、株だってうれしい! 韓国株激安祭りですよー

ポートフォリオ全体が中小型株に傾いており、小型株式投資に定評があるスパークスが運用するスパークス・韓国株・ファンドは、長期では期待できると高をくくって深く考えず投資していたのが正直なところでした。

しかしながら、韓国小型新興株がこれほどのボラティリティを示すのであれば、ポートフォリオを精査しなければなりません。

iシェアーズMSCI韓国ETF(以下「EWY」)との比較を行いました。
スパークス・韓国株・ファンド(以下「スパークス」)は上位10銘柄しか公開されていません。


表からはポートフォリオの性状がこのように見てとれます。
黄色の欄は、それぞれ上位10銘柄での評価指数の加重平均です。

①EWYの低評価は完全にバリュー株式ポートフォリオの特徴を示している。韓国大型株全体が割安になっている。
②スパークスはPER・PBR・ROAとも高い、典型的な成長株ポートフォリオ。
③EWYの平均時価総額が約4兆3000億円、スパークスの平均時価総額が約850億円。スパークスは明らかに小型株投信である。
④EWYは上位10銘柄中、NAVERを除く9銘柄が景気敏感セクターに属する「景気敏感型バリュー株」ポートフォリオになっている。
⑤スパークスは生活必需品・ヘルスケアの4銘柄はディフェンシブではあるものの、割高な評価や2銘柄(太字)はKOSDAQ銘柄であることから、全体的にはディフェンシブとは到底いえなさそう。


これらの特徴を、実際の投資でどう生かすかを考えていきます。

投資スタイルと景気サイクルの関係をしっかり押さえるべし!

①スパークスは「小型グロース」
割安株大好きの当ブログですから、小型グロースは当然大の苦手です。

米国株式を調査したジェレミー・シーゲルの研究では、小型グロースはボロ負けしています。


日本を例にとり、TOPIX500(大・中型株)、TOPIX Smallグロース、JASDAQ指数の成績を比較しました。


日本株の成績は累積リターンです。
日本で大・中型株に投資するのは本当に割に合いません。

TOPIX SmallグロースとJASDAQ指数の動きがまちまちで、ひとくくりにはできません。

②小型株は「内需株」が多い
グローバル企業は大型株に多い反面、小型株は内需株が多くなります。
国内経済が底堅ければ、小型株であっても大型グローバル株式より堅調な展開があり得ます。

しかし、韓国はその経済が完全に外需偏重になっています。
少子化も日本より急速に進んでおり、格差も大きく消費の伸長もあまり期待できません。
家計のレバレッジ(借金)がすでに過大になっているとも伝わります。

韓国の内需株を買うこと自体がそもそもどうなのか……という懸念がぬぐえません。
もちろん、それを見越した割安な株価がついていれば見どころもありますが、スパークスはグロースポートフォリオとあってはそれも見込みにくいです。

③グロース/バリュー、大型/小型、景気敏感/ディフェンシブのサイクル
アライアンス・バーンスタインのウェブサイトから、景気サイクルと投資スタイルの関連をまとめた図を拾うことができました。


ファクター分析で株式ポートフォリオを健全に アライアンス・バーンスタイン株式会社ウェブサイトより

小型グロース株は、回復期~拡大期に強く、後退期には大負けすることがわかります。
どん底で拾えるなら大きな収益が見込めます。

韓国大・中型株式は「景気敏感型バリュー」ポートフォリオの典型なので、回復期に強いことがわかります。

実際のところ、スパークス・韓国株・ファンドが世に出てからの成績はこのような感じです。


青がスパークス、赤がKOSPI ETFです。
予想に反して大・中型株ETFであるKOSPI ETFの値動きのほうが激しくなっていますが、この9カ月では落ち込み自体はマイルドです。

さて、これからの投資にどう生かす?

スパークス・韓国株・ファンドと韓国大・中型株式ETFとのポートフォリオ比較を行ってきました。
これからの投資にどう生かすか、というところですが……

検討してきた限りでは、景気後退の初動あたりにある現状から、スパークスを購入していくのはリスクが大きいように思えます。

もちろん、この先深刻な景気後退に突入せず、スパークスの銘柄選定力で力強く勝っていく展開もあり得ます。

しかし、現状程度の不穏な雰囲気にあっては「サムスンKODEX200上場指数投資信託(1313)」を買っていく方がよいように思えます。

景気後退が深刻となり、韓国経済の常である「通貨安・株安同時進行」の阿鼻叫喚が聞こえてきたところで、目をつぶってスパークス・韓国株・ファンドをドカンと大人買いといきたい所存です。

今後も韓国株式には継続的に投資していきます。
「格差縮小ファンド」は毎月動向を報告しているので、僕がサムスンKODEX200上場指数投資信託(1313)からスパークス・韓国株・ファンドに切り替えたタイミングもわかります。
参考にしていただければ幸いです。

お相手は、人生を豊かにする「投資」の専門家
日野秀規でした。
ありがとうございました!

質問・感想お待ちしています! こちらからお願いします
LINE@に登録をお願いします。ブログの更新をお知らせします。直接ご連絡もしていただけます。
※感想やご質問は、今後の記事でご紹介させていただく場合があります。

★お金のこと、お仕事のこと、投資のこと、気軽にご相談にいらしてください。下の「ご相談メニュー」をご覧ください。
ごあいさつ
プロフィール
ご相談メニュー