米国投資情報サイト“Seeking Alpha”に掲載された記事からのメモです。

Stick To Your Investment Disciplines
あなたの投資規律から離れてはいけない

2020年3月12日時点での、米10年国債の利回りは0.85%。
インフレ率についてのコンセンサス予想は約2.0%。
つまり米10年国債の購入者は、今後10年間、実質購買力を毎年1.15%失うリスクを覚悟している。
おそらく投資家は、インフレが劇的に低下し、10年間は低水準にとどまると予想しているのだろう。
しかし、おそらく米国債の買い手の大半は10年先を考えていない。彼らは元本の安全を求めているだけで、期待リターンにかかわらず、それを今求めている。

しかし、いずれは事態は正常に戻り、10年債の保有者は低リターンと高リスクの組み合わせに縛られることになる。
長期国債のデュレーションは9.28。つまり、金利が1%(2020年初頭の水準)上昇すると、元本は9.28%毀損される!

現状、債券を保有することでの見返りはきわめて少なくなってしまいました。
株式に対するカウンターとしての逃げ場所、悪く言えば「投機リターン」前提での保有となってしまうわけです。

そして、少しでも金利が上がれば大損を食らいます。
債券は儲けがきわめて少なく安全でもない、非常に扱いにくい資産になってしまいました。

引用は米国債について書かれていますが、日本や欧州では状況はより悪いです。
考えなしに債券の長期保有が正当化される水準ではまったくありません。

個人投資家はどう考えればいいのだろう?



株式に対するヘッジとして債券および債券ファンドを持つ場合は、うまく売り抜ける手順を前もって考えておく必要があります。

また、こうなってしまえばそもそも債券投資などせず現金で証券口座に置いておいても全く差し支えありません。

20年30年スパンの長期投資前提でアセットアロケーションを組んである場合は聞き流してもよいでしょう。
大きな変動があるつどリバランスしていけば、先々のリスク・リターンが改善されます。

もっとも注意が必要なのがレバレッジ型バランスファンドです。
「儲けがきわめて少なく安全でもない、非常に扱いにくい資産」が、元本の2倍以上含まれているファンドが多いのです。

レバレッジ型バランスファンドは、短期的には株式へのカウンターの役割を果たしつつ、長期では順調に債券価格が上昇してきたこの20年程度のトレンドが背景となっています。

株式も債券も下がる、スタグフレーションのような状況は想定されていません。
コロナウイルス対策で世界経済が息を潜めているいま、短期的にはスタグフレーションの懸念はあると思います。

当ブログでも以前、「グローバル3倍3分法ファンド」について詳しく記事にしました。
徹底検証! 話題の投資信託「グローバル3倍3分法ファンド」に死角はないのか?

英語で「everything bubble」、つまり「なんでもバブル」状況にふれた注意喚起はしていましたが、債券投資のマイナス面の検討が甘かったことが悔やまれます。

今回のコロナウイルスのような想定外の経済ショックが起きると、
・株式と債券の逆相関が消え、両方とも大きく下落する
・世界をショックが覆うときには債券の発行国を分散していても意味がない
このような事態は考えていませんでした。
当然、数十万円単位での大損を食らっています。

このファンドは預かり資産が1000億円超える規模で増え、類似ファンドも出回っていますが商品の構造はいずれも似たようなものです。
長期でもちづけていけるファンドかどうか、熟考をお勧めしたいと思います。

人生を豊かにする「投資」の専門家
日野秀規でした。
ありがとうございました!

質問・感想お待ちしています! こちらからお願いします
LINE@に登録をお願いします。ブログの更新をお知らせします。直接ご連絡もしていただけます。
※感想やご質問は、今後の記事でご紹介させていただく場合があります。

★お金のこと、お仕事のこと、投資のこと、気軽にご相談にいらしてください。下の「ご相談メニュー」をご覧ください。
ごあいさつ
プロフィール
ご相談メニュー