トルコの株式が割安に傾いており、魅力が増しています。
トルコ株式への長期投資は、政治リスクを味方にして儲けよう!
のお話しです。
ありがとうございます。

投資手段

①投資信託
トルコ株式に投資する投資信託は4商品ありますが、いずれも信託報酬が1.9%超えと非常に高く、運用成績も似たり寄ったりといったところ。ポートフォリオも上位10銘柄ではほぼ共通しています。

SBI/楽天/マネックス証券では、販売手数料無料で「トルコ株式オープン 『愛称 : メルハバ』」を買うことができます。
メルハバとは「こんにちは」の意味です。

②ETF
SBI/楽天/マネックス証券で、iシェアーズMSCIトルコETF(TUR)を扱っています。

③CFD
GMOクリック証券のCFDを利用してiシェアーズMSCIトルコETF(TUR)と同等の運用成績を得ることができます。
CFDでは最大10倍までのレバレッジをかけることができ、うまく利用すれば投資効率がよくなります。

投資方法の比較

●投資信託とETFの比較
トルコに投資する投資信託とETF(TUR)の比較をまとめました。
上位10銘柄は割合は少々異なるものの、すべて共通しています。


一例としてSBI証券で海外ETFを購入する場合、売買手数料が0.45%(最低手数料5ドル)、為替手数料が1ドルにつき0.25円かかります。経費率は0.59%です。
投資信託(メルハバ)に投資する場合、売買手数料はかかりません。信託報酬は1.94%です。

仮に投資信託の信託報酬≒ETFの経費率とみなしても、運用成績はその差ほどには開きがありません。
5年程度までの中期運用を想定している場合や、並行して信用取引を大掛かりに行っている場合(信用担保としての利用)は、海外ETFの低経費率にこだわらなくてもよいかもしれません。

●ETFとCFDの比較
GMOクリック証券で、CFDを利用してiシェアーズMSCIトルコETF(TUR)と同等の運用成績を得ることができます。

CFDは売買手数料や為替手数料がかかりませんが、その代わりに「買い価格」と「売り価格」の差額(スプレッド)が手数料に相当します。

GMOクリック証券で、iシェアーズMSCIトルコETF(TUR)のCFDを利用する場合、2019年5月7日のbid/askスプレッドは0.09$でした。
CFDの原資産(ETF)自体のbid/askスプレッドが0.01$だったので、GMOクリック証券の取り分は0.08$。ETFの価格が21.55$だったので、片道の売買手数料は0.19%だったということになります。
ETFの手数料に比べて3分の1以下の割安です。

ただし、CFDは口座に入金したお金を使って資産を購入するわけではありません。
入金したお金は担保になり、購入した原資産の分は「借金」をして契約相手(証券会社)が買うことになります。
※証券会社は「買い」と「売り」を合算した分をカバーすればよいので、顧客の注文に応じて毎度原資産を売り買いしているとは限りません。

「借金」なので、その金利分は顧客が負担することになります。
これを「金利調整額」といい、TURの買いポジション保有にあたっては1株当たり毎日0.35円を負担することになります。

たとえば、TUR 100株を(21.55$×100×109.94=23万6,920円)まる1年保有する場合、
0.35円×100×365=1万2,775円
の金利調整額を負担することになります。
これはETFを100株保有する場合にはかからないコストです。
1年間の保有コストが5.4%ということになるので、これは大きいですね。

また、CFDは「GMOクリック証券を相手にした権利の売買契約」であるため、市場で流通する流動性の大きいETFに比べ、価格が恣意的に動く可能性がないとはいえません。
何らかのショックに際して、流動性が一時的に枯渇した結果(例えば「売りばかり殺到する」など)、ETFに比べ一時的にスプレッドが大きくなる(=手数料が高くなる)可能性はあります。

長期保有ならETF、一時的なショックや金融危機など下値を大きく突っ込んだときにレバレッジをかけて攻めるならCFDがよいといえます。

利益にかかる税金は、ETF・CFDともに20.315%であり、有利不利はありません。
ETFの損益は株式・投資信託などと通算できます。
CFDの損益は他の先物取引等と通算できます。
ETFとCFDの損益を通算することはできません。

トルコの経済環境

トルコ経済の特徴を確認します。
投資を開始した後にモニタリングしていく必要のあるトピックです。

●工業国への成長
東欧・中東など近隣諸国への耐久消費財(自動車、家電など)輸出が伸長しており、リーマンショック後の経済成長を担ってきました。外貨の獲得と中間層の厚みを増すことに貢献し、GDPの6割を占める民間消費を支えています。

●高インフレ、弱い通貨
2013年ころから一貫してトルコリラは減価しており、2018年にはアメリカとの関係悪化をきっかけに通貨危機に瀕しました。インフレ率が20%を超えた時期もあり、金融政策のかじ取りが非常に難しくなっています。

アメリカや周辺国との関係、中国経済の動向などをきっかけとしたさらなるトルコ通貨危機もささやかれています。
通常の先進国とは異なり、近い将来、通貨防衛のための金融・財政引き締めを余儀なくされ国内経済が悪化することを一定期間甘受せざるを得ない情勢です。
IMF管理国のような隠忍自重が求められるかもしれません。

●アメリカとの対立
イスラム国への対処やイスラエルとの関係でアメリカとの対立が深まり、2018年には鉄鋼とアルミの関税が引き上げられました。
これを受けてトルコリラは急落しましたが、いまだ関係改善への動きは見られていません。

●イスラム化と安定成長路線への回帰も
目下かなりの危機段階にあるトルコ経済ですが、裏を返せば改善の余地が大きいといえます。

民主的な手続きを経たオスマン・イスラム回帰路線は国家の成熟を表している一方、エルドアン政権という長期強権体制を生み経済の硬直化を招いています。
本来の強味だった政教分離にいま一度立ち返り、適切な経済運営に着手して欧米諸国との関係改善がなれば、2017年までの安定的な経済成長路線に戻れる可能性があります。

通貨安であり、景気後退に見舞われていることもあってトルコ株式はかなりの低評価になっています。
粘り強く少額を積み立てていくことに妙味がありそうなです。

いかに投資するか?

トルコ株式への投資にあたっては、投資信託とETFが用意されているほか、CFDも利用できます。

投資信託では「トルコ株式オープン 『愛称 : メルハバ』」が、SBI/楽天/マネックス証券で販売手数料無料で買うことができます。
海外ETF「iシェアーズMSCIトルコETF(TUR)」も利用できます。
投資成績には大きな差はないため都合に合わせて使い分けることができますが、長期投資ではETFに分があります。

ETF(TUR)に連動するCFD投資も利用できますが、保有コストが高いため(年間5.4%)長期投資には向きません。
CFDは少額で大きなポジションをとることができる(最大10倍のレバレッジ)ので資金効率がよいといえます。

市場ショックの際など、リバウンドをねらって短期投資を行う際などにはレバレッジは有効です。
レバレッジは借金ですから、失敗すれば大きな損失を生む可能性があります。利用には注意が必要です。

お相手は、人生を豊かにする「投資」の専門家
日野秀規でした。
ありがとうございました!

(参考文献)
トルコ共和国(Republic of Turkey)基礎データ
トルコ投資環境
トルコ通貨危機の懸念は消えたか 政府・中央銀行の政策の継続性が鍵に
「トルコ・ショック」は再びやって来るか~ファンダメンタルズは「危機的水準」、対米関係など外部要因が揺さぶりを掛ける展開に~
コラム:地方選苦戦のトルコ大統領、間違った経済政策に猛進か

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