ロシアの株式が割安に傾いており、魅力が増しています。
ロシア株式への長期投資手段を検討しました。

投資手段

①個別銘柄購入
SBI証券で31銘柄が直接購入できます。
投資信託・ETFの上位10銘柄程度はほぼ直接購入可能です。

②投資信託
ロシア株式に投資する投資信託は5商品あります。
・HSBC ロシアオープン
・DWSロシア株式ファンド
・三井住友・ロシア株式オープン
・ダイワ・ロシア株ファンド
・ロシア株式ファンド
このうち、HSBC ロシアオープン・三井住友・ロシア株式オープンはSBI/楽天/マネックスの各ネット証券で販売手数料なしで購入可能です。

ロシア株を含む欧州株/東欧株ファンドなどもありますが今回は省略します。

③ETF
NEXT FUNDSロシア株式指数・RTS連動型上場投信(1324)が東京証券取引所に上場しています。
また、SBI/楽天/マネックスの各ネット証券でiシェアーズMSCIロシア・キャップトETF(ERUS)、ベア3倍/ブル3倍ETF(RUSS/RUSL)が購入できます。
SBI/楽天の各ネット証券でヴァンエック・ベクトル・ロシアETF(RSX)、ヴァンエック・ベクトル・ロシア小型株ETF(RSXJ)が購入できます。

投資手段の比較

当ブログではロシア株式の個別銘柄分析は行いません。

●国内ETF・投資信託

NEXT FUNDSロシア株式指数・RTS連動型上場投信(以下RTS ETF)が連動するRTS指数は、ロシア株式市場の代表的な株価指数です。
モスクワ証券取引所に上場する銘柄のうち流動性の高い銘柄で構成される、時価総額加重平均型株価指数です。

投資信託はすべてアクティブファンドで、信託報酬は最低で1.63%以上といずれもかなりのコストがかかります。
RTS ETFが経費率では最小(1.03%)ですが、運用成績は明らかに劣ります。

いずれのアクティブファンドの目論見書を見ても、特に運用方針で目立った特徴を打ち出している投資信託はありません。いずれもRTS指数に比べ銘柄を絞り込んでいる点は共通しています。

銘柄選択効果が運用成績に現れているようで、アクティブファンドが10年の長期で時価総額加重平均型ETFを上回っています。続いて取り上げる海外ETFと比較しても、アクティブファンドの成績は決して劣っていません。

ロシアは銘柄選択効果が強く表れる「効率性の低い市場」であるといえるのか。
あるいは単に、成績の悪いアクティブファンドは消え比較的好調なファンドが残っている「生存バイアス」でそう見えるだけなのか……。

目論見書を見ても、特に目立った運用方針を打ち出している投資信託はありません。マクロを見てミクロを見て、トップダウンボトムアップと似たり寄ったりです。
どの投資信託を選べばよいかは難航を極めますが、奇妙なことに、アクティブファンドでは信託報酬が低いほど運用成績が向上しています。
一つ参考になるかもしれません。

特徴で考えるなら、

・過去の成績と信託報酬の低さで選ぶなら「カレラ・ロシア株式ファンド」
・ロシアに近い欧州系の投資助言会社で選ぶなら「DWSロシア株式ファンド」「ダイワ・ロシア株ファンド」
・ノーロードで選ぶなら「HSBC ロシアオープン」「三井住友・ロシア株式オープン」

となります。

個人的には、ロシア以外にも日本の運用会社としては珍しく中欧、バルカン半島諸国のファンドも手掛けるカレラアセットの「ロシア株式ファンド」に魅力を感じています。
ズベルバンクの優先株に大きく張ったり、他のファンドに含まれていない銘柄を組み入れたりといったチャレンジも見てとれます。

●海外ETF
SBI/楽天/マネックスの各ネット証券でiシェアーズMSCIロシア・キャップトETF(ERUS)およびベア3倍/ブル3倍ETF(RUSS/RUSL)が購入できます。
SBI/楽天の各ネット証券でヴァンエック・ベクトル・ロシアETF(RSX)、ヴァンエック・ベクトル・ロシア小型株ETF(RSXJ)が購入できます。
ブルベアETFについては省きます。

iShares ERUS ETFは時価総額加重型ですが、Van Eck RSX ETFは1銘柄の上限が8%と制限されています。
また、Van Eck RSX ETFはロシアでの売上が50%以上を占める外国企業を持つこともできるため、ロシア企業の割合は82.4%となっています。。
PER, PBR, 配当利回りといったバリュエーションは大差ありません。

Van Eck RSXJ ETFはロシア小型株に特化したETFです。
ロシアでの売上が50%以上を占める外国企業を持つこともできるため、ロシア企業の割合は68%程度になっています。
バリュエーションはERUS, RSXと比較して現状かなりの割高で、PERは25.5倍となっています。買い時を慎重に検討したいETFです。

ロシアの経済環境

ロシア経済の特徴を確認します。
投資を開始した後にモニタリングしていく必要のあるトピックです。

●経済制裁の長期化
ウクライナとの紛争・クリミアの武力併合をきっかけに、欧米からの経済制裁が継続されています。ロシアの石油・天然ガス発掘を阻害し、欧米資本の導入を制限することでビジネスの停滞が続いています。

ウクライナとの関係改善は当面見込めないことに加え、ウクライナが反ロシアの立場で欧州に接近しNATO加盟を企てるとなれば、欧米との関係不全は続き、長期にわたる可能性があります。

●投資不足による生産性の低迷
アメリカ・日本に比べ設備の更新が進まず古いままといわれています。
原油等の輸出による経常収支黒字が大きく、国内の投資不足が長く続いています。
これはロシア国民が自分の国の経済を信頼していないこと、ロシアは国営企業が大きな顔をしておりイノベーションがないこと、などによります。

●インフレ
少子化・男性の早死になどを背景とした人手不足で完全雇用にありますが、それでも供給力不足のためインフレが続いています。
対抗手段として付加価値税の増税や金融財政の引き締めを行っており、2019年は景気減速が見込まれています。
ただし財政の引き締めは、長期的な課題である投資不足の解消のためといわれており、ロシア国民にとっても投資家にとっても忍耐、種まきの時間となります。

●エネルギー価格が生命線
ロシア経済は、原油価格上昇率をゼロとおくとトレンドとして1.65%成長してきました。
ところが原油価格とGDP成長率の関係が深く、外的要因によってGDP成長率が大きく振幅します。
原油価格が10%上昇するとおよそ2.38%成長率が上がりますが、10%下落すると2.38%下がってしまいたちまち不況に陥ります。

この対処として、石油・ガス需要に応じて経済を安定化させるための「国民福祉基金」があります。原油価格の高い時にエネルギー企業家税金を取って貯め込み、原油価格が低迷した折に財政出動などに使います。

いかに投資するか?

現在ロシアに投資できる投資信託・ETFの比較では、アクティブファンドが経費率の差を超え、インデックスETFを凌駕してきました。
ただし、これは成績の悪かったアクティブファンドが淘汰されてしまった後の風景とみることもできます。
過去の運用成績は将来を保証しませんが、ロシアを非効率な市場とみるなら今後もアクティブファンドへの投資は検討に値します。

ETFを利用した投資では、Van Eck RSX ETFが純ロシアETFではないという特徴があります。
iShares ERUS ETFとRTS ETFはどちらも時価総額加重型ETFであり大差ありませんが、RTS ETFは国内株式と同様に取り扱え、信用取引の担保にできる利点もあります。

Van Eck RSXJ ETFは小型株ETFであり、エネルギーセクターが4~5割を占める他の投資手段とはセクター分布が全く異なります。
いま進められている投資促進策からの内需振興が奏功するという見込みが持てるならば、有望な投資先となります。
ただし現状ではPERが25.5倍と高くなっており、買い時を慎重に検討したいETFです。

(参考文献)
プーチン再選後のロシア経済 注目される「世界5位以内の経済大国化」の行方
ロシアの 2018 年成長率は+2.3%留まり、力強さにはほど遠い展開

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