SMT 日本株配当貴族インデックス・オープンで、消費増税でとられた分を取り返そう! というお話です。
いつもありがとうございます。

長期投資に使ってほしい「SMT 日本株配当貴族インデックス・オープン」

三井住友トラストアセットより、SMT 日本株配当貴族インデックス・オープンという投資信託が提供されています。

設定は2016年8月ともうじき約3年が経過しますが、預かり資産は約23億円と、決して人気商品とはいえません。

しかし、この投資信託は「長期投資向けの際立った特徴」を備える非常に有望な商品です。
日本株式への投資はこれ一本でもよいくらいです。

商品性と将来性を徹底解析していきます。

「配当貴族」とは何か?

この商品の特徴をひと言で言えば、
「配当を毎年増やす、または減らさず安定的に支払い続ける企業を選抜した『配当貴族インデックス』に連動する投資信託である」
ということです。

「配当貴族インデックス」は米国から輸入された指数で、英語で書くと“dividend arisrtocrats index”になります。
直訳なのです。

配当を増やす企業を集めたインデックスが、なぜ「貴族的」なのか?

名称の由来について調べてみたのですが、日本語でも英語でもまったく明かされていません。
誰も疑問に思ったことがなかった?

配当を毎年増加させ続けることが帯びる
・株主に堅実に報いる、企業「統治」がすぐれている
・無配で高成長を目指し続けるようなガツガツ感がない
といったイメージに加え、当インデックスの要件として「長期間の増配または安定配当が求められる」ことから、新参者が排除されるというあたりがネーミングの由来かと思われます。

株式を公開している企業の中でも、特にエスタブリッシュメント(既成の支配層)に投資できるインデックスということになります。

amazonやgoogleといったITジャイアントが躍進する世界で、このような古色蒼然たる企業に投資する意味があるのか?
というあたりを考えていきます。

配当を毎年成長させる「増配」の意味とは?

①配当の「意味」と増配の「価値」とは?
配当は、資本を提供した株主(会社のオーナー)に対して、企業の経営者がその見返りとして提供するキャッシュのことをいいます。

経営者が株主から受けている使命は「株主が持つ株券の価値を最大化すること」です。

amazonやメルカリといった超成長企業は配当をしません。
収益を投資に回し事業を拡大することが、会社価値の最大化であるという経営者の判断です。

しかし、長年事業を行うなかで、その分野では成熟した事業内容を安定的に行っていく会社も無数にあります。
収益をやみくもに投資につぎ込んでも、さらに収益が増えるとは限らないという状況の企業です。

その場合、「株主の持つ株券の価値を最大化する」という意味では、収益を株主に直接渡してしまうという選択もできます。

なにより、株主の中でも人間は、お金をもらうと喜びます。
毎年もらえるお金がふえれば、それはそれは喜びます。

株主の期待に応えて毎年配当を増加させるためには、元手になる収益が安定的に増えていく必要があります。

つまり、増配を継続する企業にはこのような特徴があります。

①時代に劣化させられないビジネスモデル
②保守的で信頼性の高い経営
③株主に利益を還元する姿勢

優良企業が選抜できる、わかりやすいシグナルなのです。

②配当貴族は米国からやってきた
米国では企業の増配継続志向が比較的ポピュラーです。

配当貴族インデックスは、米国の金融サービス会社であるスタンダード&プアーズ(S&P)が算出しています。
米国の配当貴族インデックスは、25年以上の増配継続が選定基準です。

対して欧州や日本では、米国ほど増配継続を求める株主カルチャーが一般的ではありません。
なので欧州版配当貴族インデックスは10年以上の増配継続、さらに日本版では10年以上の増配または減配なしが選定基準となっています。

日本でも、1997年の金融ビッグバンを起点に、米国流の金融市場改革や株主重視の企業統治が輸入され、定着してきました。
SMT 日本株配当貴族インデックス・オープンは、その流れの一環に位置づけられる商品といえます。

「SMT 日本株配当貴族インデックス・オープン」の特徴は?

①商品・連動する指数の特徴
SMT 日本株配当貴族インデックス・オープンは国内各ネット証券で販売されており、最新の経費率は年0.47%と十分に低い水準です。

時価総額・売買代金で小型株が除かれたのち、10年以上にわたり毎年増配をしているか、または安定した配当を維持している企業が選定されます。
最終的には50銘柄に絞られ、各銘柄がポートフォリオに占める割合は配当利回りに比例します。

各銘柄はのウェイトは5%まで、セクターは30%までに制限され、50銘柄でも過度な集中にならないよう配慮されています。

②ポートフォリオの評価


SMT日本株配当貴族インデックス・オープンが連動する「S&P/JPX配当貴族指数」は、TOPIXとの比較ではPBR・PER・配当利回りとも低めになっています。

各銘柄の保有割合が配当利回りに比例する方式が効いて、割安株ポートフォリオの特徴を示しているのです。

本来、増配継続銘柄を集めた指数は結果的に優良銘柄を多く含むことになり、こうしたバリュエーション指標は成長株の特徴を示すことが多いです。

参考に米国版の指数をあげました。
増配継続銘柄(10年)を時価総額比例で保有するVIG ETFは、S&P500に比べPBR・PERが高い成長株の特徴を示しています。

米国配当貴族指数はそうでもありませんが、これは等金額指数であることが効いています。
時価総額比例指数との比較では、結果的に割高株は少なく割安株が多くなっています。
少ない資産を活用して収益を上げている優良企業が集まっているわけです。

一方のS&P/JPX配当貴族指数は、安定収益と株主重視の堅実経営を行っている企業のうち、配当利回りからみて割安な水準の企業を多く保有することになります。
安心して長期保有できるポートフォリオです。

③リスク・リターンの評価


S&P/JPX配当貴族指数は、、比較対象であるTOPIXに比べ、リスクは低くリターンの高い、非常に優秀な指数です。
今後もバックテスト同様にうまくいくなら万々歳なのですが……。

結局、買いなのか? 予想される今後の展開は?

これまでの分析で、性質の面でも数値的な面でも、SMT 日本株配当貴族インデックス・オープンが非常に有望な商品であることがわかりました。

さらに、今後の市場環境などを踏まえた以下2つの観点から、この商品に期待をかけることができます。
買いです。

① 今後も「配当重視」の流れは高まっていく
僕たちはこの20年、一貫して従業員から株主へ、企業を左右する力学が動いていく流れの中にいました。
その流れは、今後も途切れることはありません。

株主への配当重視は、巨視的には「高所得者への富の集中」に掉さす1つの要素と整理することができます。

トマ・ピケティの「21世紀の資本」によれば、1700年から2012年にかけて、貧富の格差が縮小したのは2回の世界大戦があった20世紀前半だけでした。
戦争によるガラガラポンがなければ貧富の格差が縮小することはなく、平和な時代では常に富の集積は続くのです。

法人税は下がり、消費税は上がります。
「グローバル化による激しい競争に勝ち抜くためには極限までコストを下げなければならない」としながら、現実には株主に収益が流れる現象は今後も続くでしょう。

配当に注目が集まれば、配当貴族指数に含まれる企業への買いが集まりやすくなります。
ある意味こうした動きの先陣を切っている指数といえるわけです。

② 「クオリティ」と「バリュー」の相性のよさは「バフェット・ウェイ」
安定収益を上げ、それを増配という形で着実に株主に還元する企業の一群が配当貴族指数です。

配当貴族指数は、「クオリティ投資」の性質を帯びています。
収益や経営の質が高い企業を集めたポートフォリオは、長期的に市場平均の運用成績を超えることが知られています。


(WisdomTreeウェブサイトより)
緑:クオリティ投資×割安株投資の組み合わせ
紫:クオリティ投資
水色:割安株投資

米国株式での例ですが、上の図の通り「クオリティ」ポートフォリオは「割安株投資」と組み合わせることで、それら単独よりも運用成績が改善されました。

クオリティの高い株式の中から、配当利回りの高い企業を保有する配当貴族指数は、まさにこの組み合わせを実現しています。
優良企業をリーズナブルな価格で買い付ける、バフェット・ウェイともいえるポートフォリオです。

まとめ

三井住友トラストアセットより、SMT 日本株配当貴族インデックス・オープンという投資信託が提供されています。

この商品の特徴をひと言で言えば、
「配当を毎年増やす、または減らさず安定的に支払い続ける企業を選抜した『配当貴族インデックス』に連動する投資信託である」
ということです。

配当は、資本を提供した株主(会社のオーナー)に対して、企業の経営者がその見返りとして提供するキャッシュのことをいいます。
株主の期待に応えて毎年配当を増加させるためには、元手になる収益が安定的に増えていく必要があります。

つまり、増配を継続する企業にはこのような特徴があります。

①時代に劣化させられないビジネスモデル
②保守的で信頼性の高い経営
③株主に利益を還元する姿勢

優良企業が選抜できる、わかりやすいシグナルなのです。

S&P/JPX配当貴族指数は、安定収益と株主重視の堅実経営を行っている企業のうち、配当利回りからみて割安な水準の企業を多く保有することになります。
安心して長期保有できるポートフォリオです。

世相を見れば、今後も「配当重視」の流れは強まり続けることがわかります。
その中でSMT 日本株配当貴族インデックス・オープンは、優良企業をリーズナブルな価格で買い付ける「バフェット・ウェイ」ともいえるポートフォリオです。

長期投資向けの際立った特徴を備える非常に有望な商品です。
相場の上下動をあまり気にせずコツコツやっていかれたい方は、日本株式への投資はこれ一本でも良いです。

人生を豊かにする「投資」の専門家
日野秀規でした。
ありがとうございました!

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