米国の投資情報サイト“Seeking Alpha”に、マイクロキャップ(超小型株式)への投資を掘り下げた記事が掲載されました。
In The Know: Finding Value Among U.S. Microcap Stocks
事情通より:米国マイクロキャップ株式に価値を見出す

寄稿者は日本でも投資信託を複数展開しており、バリるュー投資の哲学で知られ大手運用会社、フランクリン・テンプルトンです。
米国の投資信託フランクリン・マイクロキャップ・バリュー・ファンドのファンドマネージャーに聞き取った、超小型株投資の妙味をまとめています。

日本国内での超小型株投資にも大いに通じる内容です。
要点をピックアップしていきます。

フランクリン・テンプルトンが語る「超小型株バリュー投資」



①超小型株式は大型株式の成績を長期で上回る



2000年からの約19年間で、米国の超小型株式インデックスは大型株式インデックスを約50%、年率換算で約1.4%上回りました。



米国ETFの運用成績による比較です。
2000年以降ではマイクロキャップの成績が大型株を上回りましたが、この14年になると大型(Russell 1000 ETF, IWB)が圧勝でした。

iShares Micro-Cap ETF(IWM)とFirst Trust Dow Jones Select MicroCap ETF(FDM)では、FDMが年率1.8%の差をつけました。
FDMが連動するインデックスは財務の健全性やPER, PBRによる銘柄選定を行っています。

マイクロキャップは玉石混交であり、運用成績を高めるには銘柄選定が必須であることがわかります。

②超小型株の銘柄選定は「無人の野を行くがごとく」
証券会社や機関投資家のアナリストは超小型株をほとんど無視しているため、優良株や一時的に下落し投資妙味のある銘柄が放置されているといいます。

そのため、超小型株を専門とするファンドマネージャーは、長期間にわたって優れた企業を優れた価格で発見する可能性が高くなります。

③「高品質企業を対象としたバリュー投資」が有効
フランクリン・マイクロキャップ・バリュー・ファンドは超小型株式の分野でバリュー投資を行っているといいます。
低PBR・キャッシュフロー総出力・財務の健全性といった観点から銘柄を評価します。

First Trust Dow Jones Select MicroCap ETF(FDM)の銘柄選定(財務の健全性やPER, PBRを加味)に通じる部分があり、その有効性は上のこの14年の成績からも見てとることができます。

日本の超小型株投資も「大いに有効」!

①アクティブファンドに投資する
スパークス・アセットが運用するスパークス・プレミアム・日本超小型株式ファンドは、日本の超小型株式(国内株式市場のうち時価総額下位2%の約1800銘柄)に投資する投資信託です。

2015年9月30日の設定以来、人気を集め一時は追加購入が制限されていました。
最近になって再び門戸が開かれ、国内ネット証券各社で販売されています。
その成績は優秀です。




当ファンドは参考指数であるMSCI Japan Micro Cap指数を年率で4%以上上回り、同時期のTOPIXインデックスファンドには年率で9%以上の差をつけています。

1.9%超えの高信託報酬に加え実績報酬まで設定されており、ヘッジファンド並みの高コストであることは否定できません。

しかし、玉石混交の超小型株からよい銘柄を選別し適切な入れ替えを続けていってくれること、そして同様の運用方針を掲げる投資信託が見当たらないことから、投資価値のある商品だと思います。

②証券会社の「スクリーニング」を使って自分で選ぶ!
ネット証券各社が独自のスクリーニング機能を用意しています。
ここではSBI証券のスクリーニング機能を例にとります。

東証1部・2部・ジャスダック・マザーズの各市場で時価総額100億円以下の企業を検索すると、1300銘柄がヒットします。

追加で以下の指標を加えます。

(健全性)
・配当利回り0.1%以上
・自己資本比率40%
・ROE 8%以上
・企業スコア/財務健全性6以上
(割安性)
・企業スコア/割安性6以上

ここまでで、超小型・高クオリティ・割安の90銘柄まで絞れました。

この先はお好みで、
・PCFR(株価キャッシュフロー倍率)の低い順に買う
・過去5年~10年の売り上げ・営業利益の推移が右肩上がりの企業を買う
といった戦略が考えられます。

SBI証券やマネックス証券では単元未満株の購入が可能なので、小額から多数の銘柄を揃えることが可能です。

高リスク×高リスク=超・高収益を狙う! 経済ショックで火中の栗拾い

フランクリン・テンプルトンが示した米国の超小型株式インデックスと大型株式インデックスのグラフを見てもわかるように、超小型株は値動きが激しいです。

特に2007年~2009年のサブプライムショックの時には、大型株をはるかに超える大暴落に見舞われました。

裏を返せば、大幅な下落の機をとらえて購入していけば、超小型株バリュー投資は大きな収益が見込めます。

銘柄の高リスク×タイミングの高リスク=大きな収益
という式が書けます。

近い将来訪れるであろう買い場に備えて、自分なりの超小型株投資法を検討してみてください!

人生を豊かにする「投資」の専門家
日野秀規でした。
ありがとうございました!

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