長期投資にはエントリーポイントが大事、そのために「CAPE」をチラ見しておくと後で大きな差がつきますよ!
のお話しです。
ありがとうございます。
株式市場の長期的な評価指標「CAPE」
株式市場の割高・割安を「大まかに」評価する指標として、CAPE(cyclically adjusted price-to-earnings ratio)が注目されています。
通常使われるPE(PER、株価収益率)は単年度の利益と株価の対比を示すものです。
PE=株価÷1株当たり利益
一般にPEが大きければ株価は割高、小さければ割安です。
CAPEは、株価を「過去10年分の平均した利益(物価変動調整済)」で割ったものです。「一時的要因による収益変動や景気循環の影響が除外されるため、実質的な企業収益力との関係で株価の割高・割安性が示される」といいます。
ちょっとわかりにくいですね。
例をあげてみます。
単年度のPEで見た場合、アメリカとマレーシアの差はさほどありませんし、数値自体もさほどの過熱感を示しているようには見えません。
が、CAPEでみるとその差は大きくなります。
前提として、単年度のPEであろうと10年平均のCAPEであろうと、どちらも「株価を収益で割ったもの」という点は同じなので、基本的にはごく大まかには各国共通で、15~20倍程度が「常温の」数字です。
ある国ではCAPE 50倍が、またある国ではCAPE 4倍が通常運転というようなことはありません。
先々の低成長が見込まれていたり(韓国)、経済制裁を受けていたり(ロシア)といった理由で例外的に低い値を示し続けることはあります。その逆はバブルです。
株価の上昇=(物価上昇+実質的な利益成長)×投資家の期待増大
とおきます。これを変形すると、
投資家の期待増大=株価の上昇÷(物価上昇+実質的な利益成長)=PEの上昇
であることがわかります。
つまり、アメリカの物価上昇率は近年穏当な水準だったことを考えると、アメリカのCAPE 29.9倍という数値は、ここ10年間に投資家の期待が著しく増大したことを示しています。
アメリカの株式は、他国の株式や、債券や現金といった他の資産よりも投資家により多く期待され、資金が流入し続けてきたわけです。
これをバブルと呼ぶかどうかはともかく、かなりの割高水準ではありそうです。
CAPEと長期投資リターンの関係
長期投資を行うにあたっては、CAPEは非常に役に立つ指標です。
Star Capitalウェブサイトより
横軸がある時点でのCAPE、縦軸がその10~15年後の株式リターン(年率)です。
CAPEが低い時点で投資するほど、その10~15年先の株式リターンが高くなる傾向が見てとれます。
ただしリターンには大きなばらつきがあるので、今ここがチャンス!というような百発百中指標ではまったくありませんし、短期的な上昇・下落が占えるものでもありません。
また、アメリカはここ20年ほど、ほとんどの期間でCAPEが20を下回ることがありませんでした。
「CAPEが妥当な水準になったら買おう」などと考えていたら、この10年の驚異的な成績に一切あずかれなかったことになります。
このような危険性もある指標です。
世界各国のCAPEがわかるウェブサイト
Research Affiliates
現在のCAPEが過去の何分位にあるかがわかるので、割安・割高が把握しやすいです。
ファンダメンタル・インデックスの提供で知られています。
Star Capital
CAPE以外のバリュー指標やテクニカル指標を加味した割安ランキングがわかります。
まとめ
CAPEはこんな指標です。
②ただし「ズバリ今ここ!」というタイミングはわからない
③短期的な上昇・下落もわからない
④買い時を見逃してしまうこともある(ここ20年のアメリカ)
なので、このような活かし方が考えられます。
②バフェット指標などと合わせて使う
当ブログでは、CAPEを活かした世界各国の長期投資について今後随時検討していきます。
お相手は、人生を豊かにする「投資」の専門家
日野秀規でした。
ありがとうございました!
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