【悲報】神様、何もせぬ者を家の外に叩き出してしまう



「タラントンのたとえ」というエピソードをご存じでしょうか?

キリスト教の聖書に書かれた寓話なのですが、これがなかなかに解釈がむずかしく……
生き方やお金に関して、むむむ……と考えさせられるお話なのです。

あらすじはこんな感じです。

マタイによる福音書25:14-30に「タラントンのたとえ」という教えがある。タラントンとは古代ギリシアの通貨単位。1タラントン(労働者の賃金20年分)を6千万円として現代日本の貨幣価値に換算し、以下のように要約してみた。

主人が家来3人に大金を渡して旅に出た。3億円を預かった家来Aは、それを元手に商売をして3億円もうけた。1億2千万円を預かった家来Bも、1億2千万円を稼ぎだした。AもBも、主人の資産を倍に増やしたわけである。しかし、6千万円を預かった家来Cは、運用に失敗して叱られるのを恐れ、その6千万円を地面に埋めて隠しておいた。主人はかなり日が経ってから帰ってきて、AとBについては「よくやった、これからも多くのものを管理させてやろう」とほめ、大いに喜ぶ。だが、Cに対しては「怠け者め、稼げないならせめて銀行に貯金しておけ」と厳しくしかる。そして、預けた6千万円を取り上げ、家の外に叩きだしてしまう。
しろうと哲学者トリス氏の生活と意見「【新約聖書】タラントンのたとえ:自分の才能や資産を活用せよという訓話なのか?」より引用)

この「主人」は、実はキリスト教の神様であるといわれています。
読んでいくと自然に追放されたCのことを思って、なんだかしんなりしてしまいませんか?

タラントン=タレント=才能

この話のポイントは、1タラントが非常に大金だったこと。

大金を預ける方の心情。
大金を預けられた方の心構え。
このお話の核心です。

主人の期待と信頼に応えられたAとBには、さらに多くのものが与えられました。
失敗を恐れて何もしなかったCは、すべてを取り上げられ、外に放り出されてしまいました。

あらすじには書いてありませんが、主人がお金を増やしたしもべA・Bをほめたときに、彼らの「忠実さ」をほめています。
商才をほめたわけではないのです。

大金を託してくれた主人の気持ちに応えようと、しもべA・Bが奮闘してくれたことをほめています。

大金を埋めてしまったしもべCは、失敗を恐れて少しも活用しなかったその消極的な態度を責められたのでした。

「タラントン」は、現在でも通用する英単語「talent(タレント/才能)」の語源です。
つまり、ここでは神から授けられたギフト=それぞれの人に備わった才能を意味しています。

神から授けられた才能を、チャンスがくればいつでも生かせるように準備しておくこと。
そして、いざとなれば才能を生かしきるために失敗やリスクを恐れず積極的に行動することが大事だ、という含意を伝える寓話なのです。


それにしたって、しもべCの扱いはやっぱりひどいと思います。
「外へ放り出す」という表現が本当にひどい!
人の尊厳を激しく傷つけるじゃないか!
と、僕は思いました。

僕たちは神様でもあり、しもべCでもある

実はこのひどさ、話を現代日本に置き換えてみると、結構あてはまりがよくて心がにわかにざわざわとしてきます。

生存権の侵害にもつながる理不尽が、日本社会では当然になっているからです。

優秀な人は、社会に出たときから1000万円以上、グーグルなどに就職すれば数千万円で迎えられます。

生まれがよい人は、小さいうちから人生のエスカレーターに乗せてもらい、財産を活用してそのまま不自由なく暮らします。
法人税は下がり、証券税制は総合課税にはならず、株主資本主義は進行し続けるからです。

生まれがよい人と優秀な人は往々にして重なるという研究結果ももはや常識に属します。

半面、望まない非正規雇用で低収入に未来が描けない方が増え、結婚率は下がる一方。
解雇規制が手厚いのは大手企業だけで、中小零細企業では退職勧奨や首切りも当たり前に行われてきました。

事情があって収入が得られない方が利用する生活保護への蔑視もひどく、行政もなるべく利用させないよう腐心しています。

「自己責任」が猖獗を極め人の尊厳が軽視される現代日本で、しもべCが放り出される寓話の世界が実現しています。
僕たちは神様でもあり、しもべCでもあるのです。

自分と愛する者を守るために、投資を

この話、根本的には政治や経済システムに属するテーマですが、あえてそこは掘り下げません。
「公正世界信念」「21世紀の資本」「MMT」などなどググってみてください。

ひとりひとりのサバイバルを考えるなら、やはり僕たちはしもべCになってはいけないのだと思います。

「典型的な日本人」は、仕事も投資も大嫌いです。
日本人は生まれついてのしもべCなのです。


意識的に、適切なリスクをとって、各々に備わった才能を果敢に発揮していかねばなりません。

まずは仕事を頑張ること。
仕事が嫌いな「典型的な日本人」を脱却し、前向きに才能を開発していきたいところです。

そもそも「タラントン」はお金の単位です。
お金の運用という面でも同様に、適切なリスクをとり可能な範囲でコツコツ増やしていくことです。
自力で未来を切り開くために、投資の力を導入するのがベターです。

弱い者たちが夕暮れ、さらに弱いものをたたく世界です。
自分の身を守るため、愛するものを守るために投資をしてほしいと強く願います。

人生を豊かにする「投資」の専門家
日野秀規でした。
ありがとうございました!

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