当ブログでは、米国の大手投資顧問会社・Research Affiliatesが発表するCAPEと期待リターンの数値を毎月追いかけています。
今月もすでに記事にしました。
世界各国CAPEチェック 2020.1.31

今回は、Research Affiliatesが公開している「スマートベータ投資の期待リターン」についてまとめました。

大型株式インデックスに対し、より効率的により大きなリターンが得られる可能性を秘めたスタイルが一目瞭然にわかります。
見ていきましょう!

7スタイルの期待リターンが一気にわかる!



Research Affiliates – Tools – Smart Beta
米国・米国以外先進国・新興国の各大型株式インデックスに対する、以下のスマートベータ投資の期待超過リターンとボラティリティをプロットしています。
2019年9月末現在の評価です。

以下の投資スタイルをカバーしています。

・緑:バリュー(5種類)
・水色:配当(高配当・増配継続)
・紫:低ボラティリティ(最小分散含む5種類)
・黄:クオリティ(4種類)
・青:モメンタム(3種類)
・赤:マルチファクター(4種類)
・橙:サイズ(5種類)


このうち、国内ネット証券で利用できる適当な商品のあるスタイル、および期待リターンとボラティリティがともに改善するスタイルを取り上げていきます。

「使える」投資スタイルとおすすめ商品

①米国

米国の大型株式インデックスに対し、期待超過リターンが総じてプラスとなっているスタイルは、マルチファクター・クオリティ・配当・バリュー・サイズです。

このうち、マルチファクターは適当な投資商品がありません。
サイズは超過リターンが期待できますが、ボラティリティが大きいため超過リターンの実現性に欠けます。

クオリティ・配当が期待リターンとボラティリティがともに改善されます。
バリューは若干ボラティリティが大きくなりますが、期待リターンは大きく改善する可能性があります。

この3スタイルに投資するおすすめ商品です。
(クオリティ)
ウィズダムツリー 米国株クオリティ配当成長ファンド(DGRW)
米国の配当を支払う大型・中型株のうち、高ROA・高ROEと収益成長が見込める銘柄を保有するETFです。
増配の可能性が高い企業を抽出しクオリティ効果を加えています。

(配当)
SMT 米国株配当貴族インデックス・オープン
米国のS&P 500指数に含まれる銘柄のうち、過去25年間継続して配当を増加させている企業で構成されるS&P 500配当貴族指数に連動する投資信託です。

iシェアーズ・コア 米国高配当株 ETF(HDV)
米モーニングスター社が開発・算出する「モーニングスター配当フォーカス指数」を連動対象とし、米国市場に上場する高配当株に投資するETFです。
高配当とビジネスモデルの堅牢さを両立させた、クオリティも高い銘柄を保有します。

(バリュー)
バンガード 米国バリューETF
米国の大型バリュー株式に投資する低コストETFです。

②米国以外先進国


米国以外先進国では、大型株式インデックスに対する超過リターンが見込めるのはバリューのみとなっています。
他のスタイルはいずれもマイナスリターンの可能性をはらんでいるようです。

バリュースタイルに投資するおすすめ商品です。
インベスコ FTSE RAFI 先進国市場(米国を除く)ETF
Research Affiliatesが開発したFTSE RAFI 先進国(米国を除く)インデックスに連動するETFです。

③新興国


低ボラティリティ・マルチファクターが期待リターン・ボラティリティともども改善する可能性がありますが、いずれも国内ネット証券で利用できる適当な商品がありません。

新興国大型株式インデックスと同程度のボラティリティで超過リターンが見込めるスタイルは配当のみとなっています。

配当スタイルに投資するおすすめ商品です。
ウィズダムツリー 新興国株 高配当ファンド(DEM)
米国の配当を支払う大型・中型株のうち、配当利回りに応じて銘柄の保有割合を調整するETFです。
保有する銘柄の平均配当利回りは5%を超えています。
国内ネット証券で購入できます。

まとめ

Research Affiliatesが公開している「スマートベータ投資の期待リターン」についてまとめました。

米国・米国以外先進国・新興国の各大型株式インデックスに対する、スマートベータ投資スタイルの超過収益リターンとボラティリティをプロットした図を参照しました。

米国ではクオリティ・配当・バリュー、米国以外先進国ではバリュー、新興国では配当の各スタイルがボラティリティを大きく増やさず、リターンを改善する可能性があります。
それぞれのスタイル投資に対応する、国内ネット証券で利用できるおすすめ商品を紹介しました。

年率2~4%のリターン改善は、長期投資では莫大なリターン差をもたらします。
スタイル分散を取り入れていきましょう!


人生を豊かにする「投資」の専門家
日野秀規でした。
ありがとうございました!

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